30ml 600円
人工知能(AI)は医療・金融・セキュリティなど、さまざまな分野で活躍する技術です。2019年5月12日、スウェーデンのウイスキーメーカー「Mackmyra」はMicrosoftとフィンランドの人工知能を活用したコンサルタント企業Fourkindと提携し、既存のフレーバーやタルの組み合わせや、販売数、顧客の好みなどを機械学習したAIによって考案される「AIウイスキー」の製作を開始したと発表しました。
ウイスキーの歴史は古く、15世紀にはラテン語で「命の水(aqua vitae)」と呼ばれてアイルランドやスコットランドで愛飲されていました。ものづくりの分野にも広がるAIの躍進によって、人類が製造し飲んできたウイスキーの長い歴史にも変革が訪れたといえます。
香りは「トフィーとクリームバニラ、上質なオロロソ風で、シトラス・洋梨・リンゴ・アニス・ジンジャー・ホワイトペッパーにオーク樽」に、味は「オーク材の風味のバニラ、かんきつ類と洋梨、ハーブにわずかにタバコの葉のよう」で、フルーティーでオークの風味とわずかな塩気が感じられるドライな飲み口です。
マックミラが創業したのは1999年。その前年、友人8人でスキー旅行に行った際に「なぜスウェーデンにウイスキー蒸溜所はないのか?」という話になり、それがきっかけで蒸溜所を起業してしまったといいます。
もちろん最初は実験的な蒸溜所でしたが、試行錯誤を繰り返しながら、徐々にファンを獲得し、同時に蒸溜所としての設備を整えていきました。
ようやく、ある程度の生産量を確保できる、スウェーデン初のウイスキー「Mackmyra the First」が世に出たのは、2008年のことです。
2012年には、IWSC(Inter National Wine&Spirits Competition)の「ヨーロピアン・スピリッツ・プロデューサー部門」において、金賞と銀賞のダブル受賞を果たしました。
では、この「マックミラ」、他のウイスキーとどんなところが違うのでしょうか?
まず材料は、すべてローカルのものを使用しています。
大麦や仕込み水はもちろん、ピートを使う際のピートもメイド・イン・スウェーデン。
そして熟成にはスウェディッシュオークの小樽を使用しています。
単に珍しいスウェーデンのウイスキーというだけではなく、きちんとスウェーデンという風土をウイスキーのなかに閉じ込めているのです。
さらには新進のウイスキー蒸留所らしく、実験精神にも溢れています。
時にピートと一緒にジュニパーベリーを炊き込んだり、時にソーテルヌの樽で後熟したり、あるいは写真左のような蒸溜ビルディングを建設してしまったり……。
しかもマスターブレンダ―はアンジェラさんという女性だそうです。
わずか15年足らずで世界的にも認められるウイスキー・ブランドとなった「マックミラ」。
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